クランクブギ CRANKBOOGIE

自転車と、ブルースと、旅と。

取り返しに行くもの?

大阪→東京間を24時間以内に走るキャノンボールを、境港から交通不便なのに今年やろうと思ったのは「還暦」記念にしたかったからだ。54歳の時、3回やってできなかった事を60歳で成功させるって、カッコいいやん!と、いう理由。

本心は、置いてきた心残りを回収したかった。

自分の巡航速度は年々遅くなっている感があるが、キャノンボールは若干距離の短い伊賀・御殿場コースが主流になり、また成功した方のノウハウがたくさん公開されてきた。自分の経験値上昇と合わせて「追い風で天気の良い日」に「休憩時間を少なくすれば」達成できると、思っちゃったのだ。最速記録が、35時間37分であるにも関わらず。

1月から中海北部周遊サイクリングコースで練習を始めた。2月に200km走り、希望と現実のギャップを把握した。3月に心房細動が発見された。チームメイトのA先生に診てもらって、5月下旬に手術する事にし、ゴールデンウィークには今治から東浜まで一気に走る、3なみ429kmを走破。心房細動をカテーテルアブレーションで治療後は、6月に新しい靴のインソールとライディングポジションをDISPAROさんに作ってもらい、7月に心拍数を上げるためにレースを3本走り、8月に中海北部周遊サイクリングコースで半分の12時間、255kmを走った。走ろうとしているコースで要求される最低グロス時速21km/hは確保できた。本番で使用予定の道具や補給食も試していた。9月は中旬まで長距離を走り込み、後半はテーパー期間として十分に回復してから10月に決行するという算段。計画通りに進行していた。脚力レベルは足りないものの、自分比では相当向上していた。

 

それが、水泡に帰した。ゼロではなく、マイナス。普通なら「来年再挑戦!」だが、今はやるかどうか、決めかねている。病院のベッドでいまだにキャノンボールの記事ばかり読んでいるけれど。自分の本来の目標はラ・マーモット・ピレネーだしな。

やらかしてしまった事実は消せない。体力、機材、社会的信用を回復させながら、これから自分の人生をどう生きるのか。

考えるというよりは、時が来たら自ずと決まるのだろな。(と。カッコつけて先送り)