クランクブギ CRANKBOOGIE

自転車と、ブルースと、旅と。

山陰(鳥取県、島根県)のブルースバンド 2025年

ブルースはロックやジャズの基になった音楽だが、都会でもファンは少ない。音楽好きでもブルースを聴いたこともない人の方が多い。ライブに行けばお客様には知り合いが必ずいる。それはそれで、友達のトモダチは皆友達だって感じで友人が増えて行くので、楽しいのですが。

人口の少ない山陰(鳥取県と島根県)では。いつもお客の大半は同じメンバー(笑)プロの人も米子、境港まで来てくれる人は、そんなにいない。菊田俊介さん位かな。ブルーズ・ザ・ブッチャーは栗栗珈琲のオーナーさんが呼んでくれるから、島根県益田市には来てくれる。感謝してます! 境港から車で3時間かかるから岡山とほぼ同じなんだが来てくれるってのが、この土地のファンを増やすのに重要なのよ。音楽は「人のつながり」だから、その街でコーディネイトしてくれる方がいないとね。なら、自分で呼べよっとも思ったが、実現に向けて調べて考える程、現実的に資金と集客力がない。かつての次郎吉オーナーの様に、情熱で突っ走る?

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でもね。山陰にもブルースファンはいるし、アマチュアバンドは活動しているのだ。この記事では2025年3月現在活動中のブルースマン、ブルースレディを紹介したい。

まずは、カモ虫。

山陰ナンバーワンのハーモニカプレイヤー・かもはら君と、地獄のベーシスト・たかむし君が結成したブルースバンド。ギターは、横ちゃん。最初のドラムはシンガーソングライターの瞬ちゃん。昨年ドラムがあつきちに交代し、ギターのロゼッタが加わり、さらに楽しい、男女混成バンドになった。結成初期はシカゴブルースのカバーが多かったが、今は、かもちゃんが作ったオリジナル日本語ブルース曲がメイン。オシャレに衣装を揃えたり。メンバー全員が歌って踊れる人なので、これからの展開がますます楽しみ! かもちゃんのYouTubeチャンネルにライブがアップされている。是非チェックして下さい。

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2組目は、ケンジ・フジタ。

本人曰く「出雲のブルーズ愛好家」であって、ブルーズマンと呼ばれるには、まだまだ、らしい。でも、プロのKOTEZさんは彼のことをブルースマンと呼んでる。フジタさんの歌とギターは、なかなか、心に沁みますぜ。ブルースの原点、ギターの弾き語り。Bluesの正しい発音はブルーズだから、ブルーズという、キチンとした男。レジェンド・永井ホトケ隆さんもそのように発音し、表記する。

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3組目は、ALS筋委縮性側索硬化症と闘っている松本裕樹さん。サポートする仲間達と共にCDをリリースされている。自分の会社の先輩が同じ病だった。症状が進んで行くばかりで改善はない。心がとても強い人なのだと尊敬する。

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4組目は、キャットフィッシュ・ブルース・バンド。

ずっとお休みしていたが、昨年米子のがいな祭りの時に復活した。トライアスリートのサネシゲさん達がメンバー。米子駅近くの岡田酒店でイイ感じの酔い具合で演奏されていました。今年もやってほしい。

 

そして5組目、水木ロードブルースファクトリー。

境港の水木しげるロードで、妖怪と契約した男達。ギターのライトニン飯田と、ハーモニカのスマイリー弦巻の、ブルースデュオ。

15文字もあるユニット名は、飯田さんが水木しげるロードで働いていて、俺が食品工場で働いているところから、永井さん達のウエストロード・ブルース・バンド、菊田さん達のブルース・カンパニーへのリスペクトをもって、飯田さんが命名した。1980年代前半、ウィリー・ディクソンさんが当時の若手プレイヤーとやっていた活動にあやかったってのもある。長い名前だからフライヤー作る時2、3行にしたり、フォントを小さくしなきゃ入らない、正しく名前を憶えてもらえないといった不便さがあるが、変える予定は一切ございません。自分のスジュール帳には、MRBFと書いている。

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そして我々が契約した妖怪は、三味長老さん。かつて名人に使われていた三味線が、長い年月を経て妖怪になった。水木しげるロードに棲んでいる。住所は境港市本町38、釘谷履物店前。妖怪に詳しい、かっぱ印の珈琲豆店の奥様に教えてもらいました。かつて十字路で悪魔と契約した、ロバート・ジョンソンのクロスロード伝説にインスパイアされて、ね。

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我々の演奏は、2024年11月にICHIROさんのOAをやらせてもらった時のライブをリンクした。この時オレは、境港産伯州綿で作られたシャツを着ている。弓ヶ浜半島は、日野川の砂州で、かつて綿は特産品だった。ブルースはミシシッピ州の綿畑で生まれた音楽。この土地は日本のミシシッピデルタと言えるのだ。

オモイコミガ、ソウトウ、イッチャッテル。ソンナヤツデス・・・

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デビューは2020年1月19日。休んだ時期もあったけど、もう6年目。続いているのは、飯田さんがとても度量の大きい方だから、です。アリガトウゴザイマス! ふたりでブルースやってる時は、ホントに楽しい。センタがSNSを見て「ウチじゃ見せた事のない笑顔!」と突っ込むのも、あながち大袈裟ではないのだ。

ライブの最後は「ブルースをよろしく!」で、キメている。それはウィーピング・ハープ、妹尾隆一郎さんの、JIROKICHIでやった最後のライブでの最後の言葉だ。2017年11月。その場に自分は居た。あの時の妹尾さんの笑顔を、一生忘れない。毎回自分で「ブルースをよろしく!」と言いながら同時に、畏れ多くも!と思うけど、誰かのブルース好きになるキッカケになれば、と、願っている。

実際、

音楽学院の若者に「ブルースってカッコイイですね!」と言われたことが一度あるし、「昔はブルースやってたんだよ、またやろうかな」って米子の有名バンドの人から言われたし、ミュージックバーのマスターに「今度我々のロックバンドにふたりとも入って、ドが付くようなブルースをやりたい」と誘われたし。ほんの少しは変わって行くかもね。

ぼちぼちいこか。ってな感じで。じっくりと。続けて行きたいです。

今回紹介した他に、山陰でブルースを演っている方をご存知でしたら、是非コメントで教えて下さい。

(3/9追記)

鳥取県東部にはブルースギタリスト、なかはらさんとその仲間が、います。ライブに行ったことはないからチャンスを狙ってる。過去コージー大内やCHIHANAと共演したとネット記事で読んだ。民謡をブルースにするのって、なかなか難しい筈なのに、さらっとカッコイイ! 

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