クランクブギ CRANKBOOGIE

自転車と、ブルースと、旅と。

ロボット支援腹腔鏡下腎臓がん部分切除術体験記

2022年の9月に発見され、10月に造影剤を使ったCTで確定した、左の腎臓の初期がん35mmを2023年3月、部分摘出してもらった。12月末に受診してから数えると3ヶ月後。発見されてから6ヶ月後。初期なので手術時期見込み予定が3回先送りになった。緊急を要する患者さんが来たら、譲らなければいけない。腎臓がんの拡大速度は5mm/年程度。そう頭では解っていても、気持ちは落ち着かなかった。

手術して戴いた病院の皆様、大変感謝しております。有難うございました!

(3/22 手術2日前)

20日に売店で手術で必要なT字帯、腹帯、紙オムツを購入。PCR検査して、陰性なら連絡なしと言われ、そのまま連絡なしだった。

22日午後、入院手続き。健康保険限度額認定証とリハビリ病院の1月の退院証明書を提出。手術室の看護師さんから説明を受ける。

病室に入って病衣に着替え、その日担当の看護師さんから病院での生活や尿の量の記録の仕方などの説明を受ける。お箸と風呂用洗剤を持っていなかったので、買ってきてもらっちゃった。もう、病棟に入ったので手術前はコロナ感染対策で売店に行けないのです。事前にもらった案内書をちゃんと読み込んでいませんでした。至近に入院した2つの病院では病院側が用意されていたので、こちらでもそうだと思い込んでいたのだ。なおらない自分の弱点。

それから麻酔医さんから説明。医師から手術の説明を受けた。自分の左腎臓のがんは一部尿が通る腎盂までかかっているので通常より手がかかる。この他輸血や血栓予防、医療機器企業社員の立ち合いの説明、採取された組織の医学教育、研究に使用する説明・・・入院前にも聞いたけど、更に詳しい、丁寧で分かりやすい説明でした。長かったけどさー。同意書にも沢山サインした。俺が取り乱した時に備えて拘束されてもオーケーという内容もあった。時代ですねえ。盛り沢山メニューで疲れた。

(3/23 手術1日前)

朝の血液検査で、鉄分が以前の検査より下がっているのが分かり、夕方と夜に注射することになった。薬剤師さんから手術前後に使う薬について丁寧な説明あり。

ロボット支援手術が上手く行かなかった時、開腹手術に移行できるようにお腹の中身を減らすべく、昼から大腸検査食になって、煮込みうどん、夜は葛湯。その後絶食開始。寝る前に下剤。

(3/24 手術当日)

朝5時頃トイレに行った。6時から水分も摂取禁止になるので、その前に水を飲んでおいた。炭酸ガスで排便しやすくなる坐薬を入れて、もう一度トイレに。

8時30分に手術後の集中治療室2日間で使う荷物を持ち、病棟のその日の担当看護師さんと歩いて手術室に向かう。これは新鮮だった。手術は12回目だが骨折が殆どなのでストレッチャーや車椅子に乗って行くのが自分的普通なので。リゾートホテルのような手術室エリアの内装、事前に↓動画で見ていたけど、こんなトコ初めて。改めて大きな病院なんだなあ、と思う。手術室の前では事前説明してくれた担当看護師さんが待っていて恐縮した。

www.med.tottori-u.ac.jp

手術室に入ると、その広さにまた驚いた。10人以上の人がこの手術に関わるそうだ。ありがたいことです。右側には手術支援ロボット、ダビンチが。

事前説明通りにテキパキと前処置が進み、麻酔の先生が来て、マスクをつけてくれて、俺からの感謝を皆さんに伝えて下さいと言って・・・記憶は以上(笑) 

6時間位かかる、↓動画と同様の手術が行われたはず。(臓器がリアルなので再生される方は気を付けて下さい)

ロボット支援腎部分切除術 | 鳥取大学医学部 器官制御外科学講座 腎泌尿器学分野

 

次の記憶は既に集中治療室のベッドにいるトコロから。手術後回復室にいる時間があったはずだが憶えていない。胴体左側に手術のメインの傷口、ほぼ同じ高さの左前脇腹からドレンが出て、背中側に2ヵ所位鉗子の入口傷、尿道カテーテルでオシッコを流し、左腕から点滴、右腕の動脈に針が刺さってSpO2や血圧をモニター、胸のセンサーで心電図、鼻から酸素、両ふくらはぎは血栓防止フットポンプのスリーブが巻かれていた。いわゆる「磔状態」だが寝返りは打てるならうってよい、と集中治療室の看護師さんから説明を受けた。とはいえ、この時は動くと左側は痛くて右側に唸りながら時間をかけて向くのが精一杯。頭はボーッとしている普段より更にぼーっとした感じ。手術室の担当看護師さんは手書き応援メモを書いてくれていて、またまた恐縮、感謝。手術中喉に管を通していたのでイガイガ感があるが、水は飲めないので喉を湿らせてもらった。ほどなくして主治医の先生チームが来て、手術の成功を伝えてくれた。本当に有難うございます。俺、まだ死ぬわけにはいかないのです。

いつもはここからが自分の「出番」で、不具合に耐えつつ長い夜を過ごすことになるのだが、今回はそれ程きつくなかった。いたれりつくせり担当看護師さんのおかげかな。ICUでは1人で2人の患者を受け持つそうだ。点滴で入れる痛み止めの副作用で吐き気が出て、よだれみたいのを2、3度うがい受け皿に吐いた程度。ベッドの上半身を高くして吐きにくいようにした。断片的にだが、眠れたし。モニターの心電図グラフがきれいなのを見た時は、改めて心臓を手術してくれたチームメイトに感謝した。未明におならが出て、腸閉塞の心配がなくなった。

(3/25 手術1日後)

集中治療室で過ごす。しんどい。酸素吸入は終了。血液検査とレントゲン撮影。午後は介助つきで立つところまでやった。背中の手術傷口よりも、腹のドレン抜き口の方が痛い。痛み止めの吐き気も続いてる。水は許可が出て飲めるようになった。時々カラ咳が出る。

(3/26 手術2日後)

傷口の痛みと、吐き気(薬は別のモノになったが残ってるのかも)はそのまま。午前に介助付きで少し歩く。オーケー、いい感じ。でもスタンドに尿バッグとドレンバッグひっかけて動くのはおっくうだ。

午後、一般病棟に戻った。歩く時用にドレンバッグを納めるポシェットを渡された。少し歩行訓練。夕食は全粥とハンバーグとポタージュ。食べたら、お通じがあった。

(3/27 手術3日後)

しんどいのは、続く。3日目なのにしぶといな。今までの経験と比較して最初の晩は大したことなかったが、少しだけしか楽にならずに3日目。痛み止めは飲み薬のセレコキシブ錠200mgになった。ロキソニンは腎臓に負担のかかる薬なんだそうで、これはその点が改良されたモノ。負担があるのはあるそうだが。オレ、今までロキソニンいっぱい使ってたぞ。痛み止めの効果としては変わらないように感じるし、今後はこっちを処方してもらおう。

午前中にドレンと尿道カテーテル抜いてもらって身軽になった。ドレンを抜いた後、抜き口が自然に閉まるのを見て特撮みたいと思った。人体は不思議だね。

昼食から常食に。

(3/28 手術4日後)

傷の痛みは続いていて動く度に唸ってしまうが、朝の体調は比較的楽になった。点滴最終日、午後3時に終了。晴れて自由の身だ。夕方シャワーを浴びてサッパリしたが、自撮りした顔は疲れていた。裸になったらお腹がぽっこりふくれてるのに気づいた。聞いたらウンチやガスが出きってないとのこと。トイレでは傷口が痛くてそんなにイキめないし、動いてないしなあ。

(3/29~3/31)

身体のだるさは、寝る時間増やしてもなかなか取れない。夜中に2、3回起きてしまうし。お腹がふくれているのが続いていて優しい下剤のマグミット錠を処方してもらった。効果はあった。

(4/1~4/4)

痛み止めのセレコキシブ錠をやめる。腎臓への負担を減らすため。その分痛いが我慢できるレベル。起き上がったりする時はウッとかアアッとか小声で呻いている。日中は水分1リットル位飲んでいるのもあって1日12回行って2.5~3.5リットルの尿が出ていた。看護師さんによれば良い傾向だそうだが。これも日にち薬かな。

4/4退院した。駅まで、そして駅から歩いたが、とってもシンドクて「病院でいくら元気でも娑婆では通用しない」をまたまた確認した。出社は4/10からなので、それまでに体力をつけましょう。