クランクブギ CRANKBOOGIE

自転車と、ブルースと、旅と。

ピッツバーグ、2017 息子と2人旅

(8/10~8/15)

小学6年生のセンタと、二人だけで旅行した。

行き先はペンシルバニア州ピッツバーグ。

目的は、AIB(American Intstitute of Baking)時代の同級生、スコット・ベイカーに26年振りに会う事。センタの視野を広げ、自立心を強くする事。父子の思い出作りってのも大きいね。センタは実際のトコ乗り気ではなかったのだが父親の我が儘に付き合ってくれた。12月からスコットにアポを取り、準備を始めていた。

 

( Day 1   Thursday  8/10)

朝、C美に駅まで送ってもらい、成田空港から全日空のユナイテッド共同運航便で、ワシントンDCへ。窓際の二人がけ席でセンタは空の景色にスゲーッ!と魅了されていた。狙い通り。飛行機旅の醍醐味は映画やゲームじゃないよね。

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約13時間のフライト、俺は時差ボケを軽減するために早く寝ようとしたが、上手くゆかず。センタは映画を楽しみ、普段寝ている時間(日本時間20時)になったらコテッと寝た。うらやましい体内時計だ。

26年振りのUSA入国は、ESTAに加えて審査前に機械で写真撮ったり、指紋取られたり、ずいぶん面倒臭くなっていた。善良な市民は普通にクリアし、乗り継いで、ピッツバーグ空港には同日の14時に到着。キレイで快適な空港だった。

 

ハーツレンタカーで日産のセントラを借り、日本語も対応のナビ「ネヴァーロスト」をセットして、Airbnbで借りたブライトンロードのアパートへ出発。

 

途中、エマ・ワトソン出演青春映画「ウォールフラワー」の重要なシーンの舞台となっているフォートピットのトンネルから橋に出て、おーっと一人興奮する。ピッツバーグがロケ地となった映画をアマゾンプライムで5本、見てきたのだ。センタは助手席で寝ていた。。。自分も眠い。

 

アパートについて設備を確認。ジェットバスが良くて借りたのだが、使い方が今一つ分からず。大家さんに連絡すると20分ほどで来てくれた。せっかくなので洗濯機と乾燥機の使い方もレクチャーしてもらった。大家さんのデイヴはAirbnbのスーパーホストだけあってレスポンス早いし、親切。古い家を購入し自分でリフォームして民泊用に貸しているのだ。隣の家も購入して、ただ今工事中だった。

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我々が借りたのはこの家の2階部分。キレイでセンスの良い部屋だった。

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 その後近くのスーパー、Giant Eagleに買い出しに行き、ジェットバスを楽しみ、簡単な夕食後就寝。夜中に3回も起きてしまった。ヨーロッパ行きより時差ボケは格段にキツイ。昼夜逆転する東部時間、飛行機での寝不足。その後の行動で軽度なドジを沢山踏んだ大きな原因だ。次回渡米する時には睡眠導入剤も使用してしっかり眠りたい。

 

(Day2  Friday  8/11   )

朝、5時に起きて地元のファミレス、Kingsに行ってゆっくり朝食。ここはスコットの会社の製品を朝食のフレンチトーストに使っているのだ。早朝なので他のお客は地元のお爺ちゃん達。雰囲気は良かった。帰り道セブンイレブンで買い物してアパートに戻り、洗濯。

  

 

 

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それから、スコットが社長をやっている、5Generation Bakers に向かった。2016年に同じ街、マキーズロックスに作った新しい工場だ。建物は以前スーパーだった。なので小さなグロッサリーも併設している。

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スコットは、ベイカー家が営むパン屋さんの5代目。歴史は1875年から始まる。

 

crankboogie.hatenablog.com

現在はピッツバーグっ子のソウルフードのひとつと言える、Jenny Leeブランドのシナモンスウォールブレッドとそのバラエティーに特化した、焼成後冷凍パンのメーカーとして、米国各地に販売している。AIBの認証を毎年取得しており衛生や安全に対する体制も整えている。肝心な製品の風味はアメリカンながら洗練され、飽きないので外国でも売れると思う。実際引合いがあり、トライアルを始めているそうだ。日本でも昨年バスコフーズさんが一度輸入していた。

基本的な販促は試食会。毎週どこかのスーパーで実施されている。地味だが次に続くやり方だと思う。

従業員はおよそ40人。家族的雰囲気の良い会社である。先代、お父さんのバーニーも現役で働いている。会うのは初めてだが、品質本位をずっと守り、社員を大切にしてきた人生の先輩を俺はひそかに尊敬していた。スコットはこの社風を受け継ぐだけでなく、地域の為に奨学金制度を開設した。

 

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1978年の新聞記事。中央がバーニー、右がスコット。左は兄のジェフ。

  

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ご馳走になったフレンチトーストは、Kingsのより10倍旨かった。

 

工場を見学中、スコットが一緒に写真撮ろうぜ、とスマホを取り出しセルフィーを撮った。俺達は慣れてないので写真見たら視線がチグハグ(笑)。翌日奥さんのジョレアもセルフィー撮ってたし、自撮り好き一家なのだった。そういえば箱根で知り合った台湾人サイクリスト、チンピンさんもセルフィー上手かったし、SNS時代には世界的に必要なスキルのひとつなのかもしれん。

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会社のホームページはこちらです。↓

jennyleeswirlbread.com

 

見学後、ドュケイン・インクラインでマウント・ワシントンへ。ピッツバーグのダウンタウンが見渡せる場所だ。典型的な観光地。だけど良かった。センタは1セント銅貨でお土産のメダルを作ってお守りにした。

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昼飯時だが俺達の胃はまだ朝ご飯を消化しきれておらず、昼抜きにした。次の観光は、ピッツバーグ動物園・水族園。 ここはラッセル・クロウ主演の「ネクストスリーデイズ」で鍵になるシーンが撮影された場所だ。

 

スコットの息子ザックがインターンをやっているので、案内してくれた。檻の少ない展示や説明パネルが日本と異なり、とても興味深かった。何よりザックの知識豊富な事には驚かされた。

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夕食は日本食レストラン、Umamiへ。

日本人経営ではないせいか、汁ものの味付けが濃かったが、合格点かな。(エラソ-でスミマセン) サービスの女の子が可愛かったし。

 

( Day 3  Saturday  8/12 )

朝、起きて朝食。 疲れているのにまた夜中に起きて眠い。

時差ボケがまだまだ残っている。センタはだいぶマシだそうだ。         

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本日は、ザックが9月から通う高校で開かれる5キロマラソンに参加。

ナビのネヴァーロストの使い方にも慣れてきた。多国語対応ナビのせいか、コイツの喋る日本語はチョット変で、親子でマネをしては笑う。「8分の1マイル先、右折してください、や」 何故か語尾に「や」がつくのだ。といって関西弁のイントネーションでもない。でもおかげ様で、時間通りに郊外のパブリックスクールに到着。

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スコットの奥さん、ジョレアは強いトライアスロン選手で、今はユースのトライアスロンチームを率いている。その活動はテレビの取材を受けたり、雑誌の表紙になる程だ。今回のマラソン大会、主催はジョレアの仲間だった。ジョレアのチームメンバーも揃って参加していた。小さな大会だが、参加賞もちゃんとあって、Tシャツと、Jenny Leeシナモンスウォールブレッドのハーフサイズ。スコットは全米トライアスロン選手権にもスポンサードしており、表彰台にのった選手は皆ジェニー・リーのパンを持って写真に写ったそうだ。

 

5キロレース スタート。最初はセンタについて行こうとするが、すぐチギレタ。そして同じペースで走っていた人について行ったらミスコースしてしまい、ゴールしたが4キロしか走ってなかった! なんたる大ボケ! マイッタ~。

先に行ったセンタはちゃんと5キロ走って、同年代で10位に入り、皆に褒められた。息子にもう1キロ走って来いと言われ、素直にもう1度走る父親。

 

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 戻って来たら、センタはチームの子供達と遊んでいた。

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嬉しかったな。 

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日本を出る前の計画ではマラソンの後にモレイン州立公園に行って、30キロ位サイクリングしようって事になっていたが、後片付けにずいぶん時間がかかりそうだし、モレイン付近の天気がイマイチだから、君ら2人でケニーウッド遊園地に行ってみたらとスコットから提案があった。遊園地辺りの天気は良いようだ。計画をやりとりしている時に余裕があったら行ってみたいと書いていたのを、彼は覚えていた。この提案にセンタは大喜び。俺はちょっと残念だったが。

 

ケニーウッドは、USAの中でも歴史のある遊園地で、絶叫系ライドが多い。富士急ハイランドみたいな感じかな。

いくつかの迫力あるライドに乗った。アメリカの家族連れは、じいちゃんばあちゃんもみんなライドに乗るのね。だいたいシニアの団体がお揃いのTシャツで来ていたし。文化の違いを感じた。

やってみたかった一番は、スカイコースター。これだけ専用のチケット売り場で別料金を払い、予約して乗るのだ。

まずは下の360°公式ビデオをご覧ください。画面を回して様々な角度からみることもできます。

www.youtube.com

いやあ、ハーネスで 釣り上げられて55メートルまで上がって行くときは、さすがにコワカッタ。

そして最初の1振り目は、飛ぶっ!というより自由落下で、ドヒャーッ!

でもその後は爽快! これはもう一度乗ろう、とチケット売り場に行ったが相当遅い時間になってしまうのであきらめた。

 

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記念に自撮りしてみた。まだまだ修行が足りんね。左奥の青い場所が乗り場で中央の鉄塔が支点になる。

 

俺はピッツバーグ・プランジというライドが気に入った。上がって水に落ちるだけ!のシンプルイズベストな作り。そしてシブキの大きさ! 日本じゃ経験した事がない。

 

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コレ、乗る人だけじゃなくて見てる人も楽しめるのだ。ずぶ濡れ系ライドの本質か。まさに夏の遊園地。

www.youtube.com

 なので、人間用乾燥機があった。1回5ドル。

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夕方、明日のラフティングの場所に近い、ユニオンタウンのフェアフィールドホテルでスコット達と合流し夕食へ。

 

( Day4  Sunday  8/13)  

最終日の日曜は、旅のハイライト。

オハイオパイルでラフティングだ。

運良く天気晴朗、ベストコンディション。5人で一つのラフトに乗って川を下った。

むちゃくちゃ面白かった!  ここは本当にオススメです。

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 5時間30分のツアーを、2分の動画にしたのがこちら↓

www.youtube.com

 ポイントまではバスで移動するのだが、帰りのバスでザックが、また来たいと親にオネダリしているのが、かわいかった。身長180cm、文武両道の14歳は大人びてたが、やっぱり少年なんだ。

 

午後3時にはピッツバーグに戻り、スコットの実家、つまり彼が育ったウチに行く。バーニーとお母さんのビバリーが待っていてくれた。とても大きな家と庭。部屋には家族の写真がたくさん飾ってある。プールもあって、男達はしばらく遊んだ。

ジョレアとザックにはここでお別れ。

最後に3人で、ピッツバーグ名物のサンドイッチ店、プリマンティ・ブラザーズに行った。おいしかった。スコットと俺は仕事の話をしたりする。 

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改めてお世話になったお礼を言うと。

26年振りに会った友は、この週末は本当に宝物になったと言ってくれた。

また。いつか、会おう。

 

ガソリンを満タンにして、空港でレンタカーを返し、空港隣接のハイアット・リージェンシーにチェックイン。翌朝のフライトを考えたのだ。

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センタはホテルのプールでも泳ぎたい、と言う。ほぼ貸し切り状態のジムでランニングマシンに乗り、プールにジャグジー。

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 時差ボケを少なくする為に夜更かしするんだ、とプールから帰ってもゲームをしていた。俺は荷物整理とパッキング。

 

しばらくして振り返ると、すでに眠りに落ちていた。

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ありがとうな。

本当に貴重な時間を過ごさせてもらったよ。