クランクブギ CRANKBOOGIE

自転車と、ブルースと、旅と。

極私的「東京→大阪」自転車旅 #2 前置き


このブログ自体が極めて私的なモノですが。
あえてタイトルに付けてみた。

初めて東京〜大阪間を自転車で走る事を意識したのは、確か1997年か98年。
当時所属していたスポルトピーノでメンバーがリレーして走る企画があったのだ。このプライベートイベントは、サイクルスポーツ誌で記事になった。
しかし、俺はちょうど転勤と重なり参加することができなかった。

次に意識したのは2010年。岩田編集長の「俺チャレ」だ。ほぼ同い年の彼のチャレンジは刺激大で、通勤電車の中からツイッターで応援していた。
夜はゴールまで行って完走を祝福しようとまで思ったが、自分は自分のフィールドで頑張ろうと、残業したのを憶えている。
               
今回スクラップしてある記事を読み直し、彼の装備を取り入れ、とても役にたった。
そして俺のようにツイッターで応援メッセージを送っていた人達。記事を読み返したら、当時は全く知らなかったのに6年後の今では知り合いの方が数人居て驚く。やっぱり「広くて狭い輪界」。この時の俺はラ・マーモット完走だけ考えていたので、自分でやろうとは思わなかった。
それから。ずっと忘れていた。

そして。
マーモットを完走し、しばらくしたら。 突然思い出したんだ。
クロワドフェール峠でオランダ人のポール選手が広重の絵が如何に素晴らしいかを話してくれた。
広重といえば、東海道五十三次。
東京〜大阪は、それ自体も目標だが、海外自転車旅へのステップの1つである。

意識すると情報がどんどん目に入るようになってくる。
ネットで検索中、キャノンボール(東京〜大阪間を自転車で24時間以内で走ること)の記事を見つけ、そういえば前に見たよなと、これも久しぶりに思い出した。
単純に550kmを23.5時間で割ると平均時速23.4キロ。自分のツールド沖縄100キロ完走時の平均時速23.9キロと大して変わらない。山があるものの、集団走行で平地は時速40キロ近くで走っていた時間帯が長かったレースでそれ位。東京〜糸魚川では峠を4つ越えたが平地は時速27キロ位で走っていた、それで平均時速は19キロ位。だから自分だと東京〜大阪は、最速で30時間はかかるはず、と計算した。都市部は信号多いし距離長いし、実際はもっとかかるだろうし、俺はキャノンボールができるレベルではない。

昨年の12月にキャノンボールのワークショップがある事をSNSで知って参加し、貴重な情報を得ると共に生半可な準備では完走できないと認識した。東京〜大阪を自転車で走っても、見返りは自己満足だけ。その為にここまでやる!って人達が集まっていて、とても心地良かった。俺もできるならキャノンボールをやりたい、と思った。まあ、先ずは完走だ。そして風向きから大阪→東京の方が楽だと知ったが、最初は東京→大阪、そして箱根峠と鈴鹿峠、京都を通る国道1号線にこだわりたかった。マーモットでの広重話に感化されたせいでもあるし、いつかナットキングコールのルート66を替え歌にしてルートNo.1って、歌ってハーモニカを演奏してみたいから、でもある。それは後日、松戸のジャムカフェのセッションタイムで実現させて頂いた。
youtu.be

年末「来年の目標」に掲げたらPさんが乗って来てくれて、2人でゴールデンウイークに挑戦した。エタップ・デュ・ツールを6回(今では7回)完走などロングライド経験豊富な彼の参加は心強かった。
大雨の箱根峠でNCCのロードレーサーに乗っている人に出会ったり、箱根を下った後に味噌ラーメンで暖まったり、由比ではK森さんと知り合い焼津まで道に迷いながら、金谷峠でM山さんと知り合いブルベの話をしながら掛川まで一緒に走ったり、桑名ではWILSON CYCLE BLACKのK林さんに注油してもらったり、草津からはNCCのK村さんが大阪まで全引きしてくれたり、大阪ではNCCの皆と晩飯食べて、と。ホントいろんな事があって面白かった。
しかし掛川から名古屋までは時間の都合で新幹線を使った。「完走」ではなかった。

で。今回の「再挑戦」である。前回の二日目、名古屋〜大阪間は道に迷わずスムーズに行けて休憩時間も入れた平均時速が15キロ。
てことは550kmだと36時間36分。37時間位で完走する計算になる。

箱根で雨に降られるのが必至な天気予報だったが、心の声に従い、出発することにした。