クランクブギ CRANKBOOGIE

自転車と、ブルースと、旅と。

五世代パン店

友達のパン屋さんの話を。
名前は、スコット・ベイカー。


アメリカにあるパンやお菓子の学校、AIB(American Institute of Baking)の同級生だ。企業からの派遣者が多い学校なので、同級生といっても10歳近く年下。 会った時は21歳。アメフト選手らしいガタイで、カッコイイ兄ちゃんだった。
ピッツバーグのパン屋さんの息子で、家業を継ぐために研修に来たのだ。


ベイカー家がパン屋さんを始めたのは、1875年に遡る。初代のマイケルは最初は別の仕事をしていたが、名前に合わせて仕事を変えたそうだ。パンの宅配で成功し、7人の息子達がさらに事業を大きくしていった。店の名前は変わっていったり分家ができてゆく。1940年代からはジェニー・リー・ベーカリーとなり、時代に応じて売り場を変化させて、スーパーへの卸と、焼き立てパンとお菓子の直営店、両方の販売形態を持つ会社となって成長してきた。
ピッツバーグでは一番店。 みんながジェニー・リー・ベーカリーのパンを食べて育つ。


2006年の感謝祭の夜。 
工場で火事が発生した。
4ヶ月間の操業停止の後、再開したが、既にシェアの70%近くを失ってしまっていた。
その後の懸命な努力に関わらず、2008年にはとうとう店を閉めざるを得なかった。


だが。
スコットはあきらめなかった。
規模は小さいが、一家に伝わる人気商品のシナモンブレッドに特化したベーカリーとして2010年に再開した。
それが、5 Generation Bakers 。

会社を清算し、また新しい事業を始めたのだから、ものすごく苦労があって忙しいはずと思うが、休みの日にはキッチリ、いろいろと楽しんでいる。
ピッツバーグに行かれることがあったら、是非5ジェネレーションベイカーズのシナモンブレッドをどうぞ。ファミリーレストランのキングスでは、フレンチトーストに使われているそうです。


先日、彼らの物語が地元のテレビ番組「ピッツバーグ360°」で紹介された。
今ならアーカイブで見ることができるので、お早めにご覧下さい。
元気が出ますよ。
5 Generation Bakers jenny-lee-revival
http://wqed.com/tv/watch/segments/pittsburgh-360/jenny-lee-revival/



スコットは見事に復活した。



我々だって、できるはず。



頑張ろう。